「おたく:人格=空間=都市」@東京都写真美術館

http://www.syabi.com/topics/t_otaku.html

ヴェネチア・ビエンナーレ第9回国際建築展日本館「おたく: 人格=空間=都市」が再現展示されます。ヴェネチアで展示された際の詳細はhttp://www.jpf.go.jp/venezia-biennale/otaku/j/にてご覧いただけます。

近代様式の移植にともなって「いかもの」として抑圧され続けてきた偶像や聖像が、八百万の神々のように立ち現れ、流通し、 コミックマーケット秋葉原が″聖地″として巡礼される。喪われて久しいとされる都市的な祝祭空間と壮大なポトラッチが、そこには脈々と生きている。 おたく趣味は漫画、アニメ、ゲームなど、メディア横断的な特徴を持っており、また日本の現代文化としては例外的に海外に越境し得ている。 これはおたく趣味が、特有の自意識とセクシュアリティをベースにしていることと関係している。これまで、国家や民族、 宗教やイデオロギーなどをベースにした文化圏は多々あったが、人格をベースにしたものはなかった。この、都市をも変える新たなる構造としての「人格」の浮上は、 環境の情報化と密接に絡んでおり、資本とはまた違ったパターンで、容易に旧来の境界を越境し、場を形成する。日本館に「おたく館」という代替館名を掲げたゆえんである。 <おたく>を、商品や作品としてではなく、その人格を起点とした横断的観念として、展示を通して提示するものである。

上記のような視点で観に行かないと、大変に空虚な時間を過ごすことになります。前提としてこれは建築展なんですよ〜と・・・。でも展示物としての面白味は無いと思う。展示物がたとえ立体でも平面的な印象がしてしまう。チープなんですな。展覧会として。
会場に所狭しと吊り下げられたアニメのポスター等を観て「イコンなんですよ〜」とか言われても「はぁ?」という感じでした。俺はコンセプチュアルアートの見方が解ってないですね。そういう文脈の読み解きを楽しめないとあかんのですな。でもね、説明パネルがあまりにも少なくて解りづらかったよ。マルセル・デュシャン展は解りやすかった。なんつーかそういうこと。
「おたくってなんじゃいな?」ってのが観たければ、秋葉原とか中野ブロードウェイに行けばよろし。そっちの方が生々しいから。あえて入場料を払って美術館で観なくてもいいと思った。この展覧会は海外でやる事に意味があるのかも。
でも「人格」をベースにした個室から、それが巨大化して都市を形成するという見方は面白かった。やはり建築関係の展覧会ですからね。確かにこんな場は世界に類を見ないよなぁ。本当に特殊なところにいるんだと改めて実感しました。
磯崎新森川嘉一郎斎藤環などが出演するフォーラムは、行ったときには既に整理券は全て配布されており、観れませんでした。残念。