インターネットゲーム 仮想社会は居心地が良いが…

id:Bang-cho:20040222で紹介した牟田武生氏の記事の第2回が出てました。
http://www.mainichi.co.jp/life/kokoro/century/2004/0318.html
実際どうでもいいやぁ、単なるジェネレーションギャップからくる若者子供叩きだしとか思ってたんですがあの「ひきこもりのための外出マニュアル日記@はてなid:hikilink)」さんからリファがきてたので第2回が更新されたのを知った次第。もうそこらへんのまとめはid:hikilink:20040324に詳しいんで参照って事で。
牟田武生氏の記事なんですが随分色々な方面で叩かれたせいか少しトーンダウンしてるみたい。それでも

私が前回(2月19日)のコラムで、インターネットゲームを”悪魔の心理”と述べたのは、強者が自分よりも弱い者を選んで攻撃し、持っている物を奪い取って、自分の地位を上げたり、ストレスを発散したりする心理があると感じたことを指している。ネットゲームのすべてを指したわけではない。

と書いてある訳ですがこうなるとネットゲームというよりゲーム全般に対する違和感としか思えないなぁ。そういうものは弱い者いじめでは無くて狩りという認識の方が強いんじゃないかなぁ。そういう指摘もあったのでしょう。牟田武生氏は次のように書いています。

狩猟採集時代は、人間は生きるために自分より弱い者を捕獲した。が、自分の地位を上げるためではなかった。ゲームという仮想社会の中で、弱い者いじめの疑似体験を繰り返していると、仮想と現実の区別が不明確な心理状態になった場合に、現実社会で問題行動が起きる可能性が高くなると私は思っている。そこが、私が指摘したいことの一つである。

狩猟採集時代の事なんて俺は詳しくはないが、狩りが生きるためだけに存在していたのかは疑問。それに現在狩猟を趣味として楽しんでいる人々も牟田武生氏の言う「悪魔の心理」が働いているのかも疑問。
ストレス発散のためにするのではなく何かしらの対価を得るためにするのが狩り。前回は「そこには、自分よりも力の弱い者を襲い、ストレスを発散する”悪魔の心理”があった。」とか書いておられましたがね。自分の地位向上のために狩りという仕事をするのに何か問題があるのかしらん?
ただ牟田武生氏がこう思うのも理解はできる。ゲームっていろいろな所が省かれているものなのだと思う。現在は多種多様なゲームが出ておりゲームの中で食事もすれば排泄もするし睡眠をとらなければ動けなくなるゲームも存在しているが、大体のゲームは省かれており「自分の地位を上げるためだけ」に狩りをしているみたいに見えるのかもしれない。そこを見たままでしか理解できないのはしょうがないのかもしれない。ただ俺は元がTRPGのゲーマーなのでその省かれた所にも思いをはせて楽しんではいるが、他の人達がどうなのかはハッキリ言って解らない。ただ「弱い者いじめ」という感覚で狩りをしている人はごく少数だとは思う。
まぁ仮想と現実の区別はつかなくなるような人はネットゲームをする以前の問題だと思うのですよ。ほぼ全てのエンターテイメントがそういう人にとっては害悪にしかならない。アンパンマンの暴力性とかポケットモンスターの欺瞞(友達といいつつボロボロになるまで戦わせている)とかもう全て害悪。・・・そうじゃないだろ・・・そういうのもすべて含めて教育しなきゃいけないんだろ。メディアリテラシーという言葉をもう少し考えてみてくれよ。簡単に仮想と現実の区別がつかないとか言わないでくれ。

しかし、自分より弱いモンスターを叩きつぶす心理と仲間への優しさと思いやりの心理が、何の矛盾もなく共存するのはなぜなのだろうか。おそらくモンスターたちは完全な悪であり、無条件につぶす存在と認識しているのだろう。

どうしても叩き潰すという考えから抜けきらないようで。んじゃそのモンスターの皮を剥ぎ肉を切り分け火にくべて食べるという表現を加えたらいいのか?*1レザージャケットを着るときに惨殺された牛は完全な悪だからつぶされて当然とか思いつつ着るのか?

流行の先端をいっていると思われるネットゲームファンの若者らの心理は、“勧善懲悪の世界”を描く水戸黄門ファンと本質的には変わらないなぁ。そう思うのは、私の老婆心ならぬ”老爺心(ろうじいしん)”なのかもしれない。

モンスターが全て悪だから叩き潰すという前提からおかしくなっているのはおいといて、別に流行の先端の人が水戸黄門ファンと本質的に変わらなくて何の問題があるのだろうか?ここの一文は何を意図しているのか意味不明。もしかしてジェネレーションギャップというものは全てを断絶してるとか考えておられるのだろうか?
ネットゲームの魅力とは何回も言うがコミュニティの形成である。そこから派生してコミュニティから抜け出せなくなったりして結果ひきこもりを生むというのはあるのかもしれない。そこについてはかなり問題があり未成年に対する時間制限などを取らなければいけないのかもしれない。*2しかし決して牟田武生氏の言う悪魔の心理がひきこもりを生んでいるようには思えないのである。むしろいじめや不登校を専門にしている牟田武生氏が自分の土俵にひきこむためにこういうとんちんかんな書き方をしていると言ううがった見方すら出来てしまう。まぁ今ネットゲームを叩けばお金になるでしょうよ。とか下品な事を言ってみる。

*1:そういうゲームはもちろんある。モンスターハンターUOなど。UOは人も解体できるが・・・。

*2:成年?知ったことか。